赤星友香の三題噺その1「自己紹介、歌舞伎、様式美」

かけもちクロシェター、ライター、バンドマン

Music for Lifeをご覧の皆さん、初めまして。赤星友香です。piggiesagogoという名前でクロシェター(かぎ針編みの作家)をしています。そのほかの肩書きはフリーライター、3ピースバンド「めがね」のギターボーカル。肩書きがいくつもあってだいぶフラフラと生きているように思われていますが、だいたい間違っていません。

「クロシェター」という言葉はあまり馴染みがないかもしれません。大きく「編み物」と呼ばれるものの技法の一つがクロッシェ、かぎ針編みです。この技法だけを使って作品を作っています。piggiesagogoの活動についてはまたこれからもちょこちょこ書いていけたらいいなと思っています。

夏にぴったりの涼やかなペンギン。作り方はpiggiesagogoのページから買えます。

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今回こちらに文章を書かせてもらえることになって、どういう風に毎回書いていこうかな、と考えていました。よくよく考えてみると、わたしの今の柱は「かぎ針編み」「文章書き」「音楽」の3つ。よくアイデア出しのときなどに「少なくとも3つ出してみよう」なんて言いますが、個人的にも3というのはバランスのいい数字だなって思っています。わたしのバンドも3ピースですし。というわけで、こちらのコラムでは毎回3つのお題で身の回りのこと、今わたしが興味を持っていることなどをご紹介していけたらいいのかな、と考えています。カッコつけるなら「赤星友香の三題噺」。字数の関係で3つまでたどり着けないこともあるかもしれない、なんかすごくありそうな気がしますが、できるだけダレないで頑張ろうと思いますのでお付き合いいただけると嬉しいです。

歌舞伎『柳影澤蛍火』

「三題噺」といえば落語ですが、落語と同じく日本の古典芸能である歌舞伎を、先月歌舞伎座で初めて観てきました。といっても普通の観覧チケットではなく、「一幕見」という当日券です。歌舞伎ってとても長いのですが、その中から1〜2時間ほどを立ち見(運が良ければ座れます)で観覧できる格安のチケットです。

チラシ画像は「歌舞伎美人」公式サイトより。

チラシ画像は「歌舞伎美人」公式サイトより。

演目は『柳影澤蛍火』。江戸時代の老中、柳沢吉保(時代ものでは悪役になることが多い人です)の悲運の物語です。こちらは初演が昭和45年。いわゆる「新作歌舞伎」ですね。再演回数もそこまで多くはないようで、とても有名な演目というわけではないみたいです。でも観ていると、常連らしきお客さんたちはちょいちょい「成田屋!」なんて掛け声をかけていて、しかもそれが役者のキメとぴったりあっている。キメがちゃんと決まったかどうかを見分けて掛け声をかけているわけです。歌舞伎というのはキメがとても大切、歌舞伎としての様式美が備わっているかどうかがその作品の評価につながるものなのでしょう。古典であろうと新作であろうとやはりそこはブレない、評価の軸がしっかりあるなかでどう物語や役者の個性を展開していくのかが肝な世界なんだなあと思いました。

おじいちゃんのメタル魂

ロックミュージックの世界にそういう「様式美」ってあるかな、と歌舞伎を観てから考えていたのですが、ありましたね。メタルです。他にももちろんジャンルごとの様式美ってあると思うのですが、メタルほどわかりやすいものもあまりない気がします。

メタルと言って思い出したのが、昨年惜しまれながら亡くなった英国の名優、クリストファー・リー。わたしが彼の演技に出会ったのはピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』ででしたが、『ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』などの演技を覚えていらっしゃる方も多いと思います。

このサー・クリストファー、本当に良い声の持ち主なんですよ。悪役を演じているときに呪いの言葉を朗々と読み上げていても彼の声に聞き惚れてしまって、後から「そういえば今これけっこう怖い場面だったよね…?」みたいになっちゃうくらい。

あまり有名ではない話かもしれませんが、彼は80歳(!)を超えてからメタルに出会い、メタルをコンセプトにしたアルバムを何枚かリリースしています。そのうちの1枚、亡くなる前年(!!)にリリースされた『Metal Knight』を先日ようやく聴きました。

christopher-lee

はっきり言って、メタルアルバムとしては消化不良感が否めません。サウンドはシンセが前面に出ていて、BPM遅めなことも相まってドンシャリ感が圧倒的に足りない。ドラムもツーバスじゃないですし、ギターもほとんど刻んでいません。でももう91歳のおじいちゃんがこのサウンドで歌ってる…と思うと色々どうでもよくなってしまいます。良い声すぎて笑えてきちゃいます。

そもそもアルバムタイトルからして、自身が英国のナイト爵位を持っていることのもじり。メタルおじいちゃんならぬメタル勲爵士。もはやカッコいいんだかカッコわるいんだかぜんぜんわからないところがそもそもものすごくメタルっぽいです。メタルが好きでも好きでなくても、美声好きの方はぜひ御一聴を。amazonなどではディスクの取り扱いがないようなので、iTunesなどでダウンロード購入されるのが良さそうです。

思いつくまま書き綴っていたらとにかくクリストファー・リーへの愛が溢れる文章になってしまいましたが、今回はこのくらいでお開きにいたしましょう。ではまた来月!

One Comment
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