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  3. 「piggiesagogo」赤星友香さんインタビュー

今や編みぐるみは、世界でも『Amigurumi』という名で親しまれ、日本のポップカルチャーのひとつとして海外からの人気も高い。 MUSIC for LIFEが出会った編みぐるみ作家の赤星友香さん。 赤星さんのつくりだす編みぐるみたちは、愛嬌のあるユニークな顔立ちキャラクターばかり。 彼女が運営するWEBサイト「piggiesagogo」では、日本では珍しくバイリンガル表記の「かぎ針編みの編み図」の販売を行うなど、海外からのファンも多い。そんな赤星さんと編みぐるみについて、お話を伺いました。

piggiesagogo

piggiesagogoはかぎ針編みの編み図、服飾雑貨を販売するブランドです。
http://piggiesagogo.com

 



――まず、小さい頃から編み物が好きだったとのことですが、編みものに興味をもったのはいつですか。

●赤星 先にはじめたのは、棒針編みでしたね。 小学生の頃に、マフラーがつくれる!って喜んで始めました。たぶん、かぎ針編みも小学生のうちに始めたと思います。 もともと私の母親が、洋服をつくってくれたり、セーターを編んでくれる人だったので、あまり抵抗もなく、勝手に針を借りて、余っている毛糸をもらって、親の真似をして編みものをしていました。

——そのときから編みぐるみをつくりはじめたのですか?

●赤星 その頃は、編みぐるみはつくっていませんでした。 ひとつきっかけがあるとしたら、友人に「これをつくって」と頼まれたことですね。
「あみねこ」でインターネット検索すると出てくるのですが、一般の作家さんの編みぐるみです。つくったのは、5・6年ぐらい前ですね。 その時に「立体って面白いな」と思いました。 棒針編みだと、編み地がやわらかくて、綿を詰めたときに形が崩れやすく、立体になりにくいんですが、かぎ針だと、結構しっかり編むことができるんです。
編んで、自分の力で形になるように編むことができるので、立体の表現の仕方に幅がでます。例えば、丸くしたり、三角にしたり、自由自在にできますし、結構何でもできると思いました。絵は描けないけど、これなら表現できると感じましたね。
もともと誰かのつくり方を見てつくるのではなく、自分のオリジナルの何かをつくることに憧れがあったので、「これならできる」と思ってつくり始めたのがきっかけです。

——赤星さんの編みぐるみは、愛嬌のあるユニークな顔立ちのキャラクターが多い印象ですが、編みぐるみをデザインするときに意識されていることはありますか?

●赤星 ご覧になってわかると思うのですが、動物の作品を多くつくっています。
動物の実物をみたときや、写真をみたときに「形が面白い」と思うことが多くて。たとえば、カワウソって実はすごく伸びるんです。そういうのを見て「どうなってるんだろう?」という興味がまずあります。
私がかぎ針編みをやっているのは、編むだけでその立体をつくれるのが面白い!という部分が強くて、「これを編んだらどうなるのだろう」「これはかぎ針で表現できる形なのかな」という気持ちがあります。
私が「かわいい」と思う形もあると思うのですが、やっぱり「形が面白い」と思ってつくってます。

——かなり頭をつかう作業ですね。

●赤星 そうですね。本当は数学とかできるといいんですけどね(笑) あとでパーツをばらばらにつくると、パーツを縫い合わせるのに結構時間がかかるんですね。 完成品を商品として売るときはとくに、かかった時間が単価に反映されてしまうので、その部分をなるべく省略化して、面白いものをつくれないか考えています。

——赤星さんは他の編みぐるみ作家さんとは違い、編みぐるみの編み図を WEBで販売しようと思ったのはなぜですか?

●赤星 日本だと珍しいんですけど、海外だとそうでもないんです。 今の時代、インターネットで「amigurumi」を検索すると、編み図のパターンを自分で売っている人が多いんです。でも、日本の方にはあまり馴染みのない英語表記なんです。 かぎ針編みのパターンの書き方のお作法は世界的にざっくりわけて2種類あります。

日本・ヨーロッパの一部・ロシア・アジア近辺は、図で表して記号を追って編んでいくもの。 対して、英語圏は全部文章なんです。「一段目はこうやって編んでください。2段目は何目増やしながら編んでください。」と延々と文章なんです。 最初は慣れなかったのですが、無料で公開されているパターンでまずは練習してみます。そうやってつくっていたらだんだん慣れてきますし、気に入った作家さんがいると案外次のパターンを買ってしまうんですよね。

これに、「なるほど!」と思いました。

作品そのものを売るのは、国外発送など手間がかかって大変だけど、データで編み図のパターンを売るのは簡単だと思って。 日本ではあまりないのですが、海外のプラットホームだと編み図のデータ販売に対応しているところがあって、案外いけるかもと思いましたね。
日本ではほとんどやっている人がいないのもあって、日本人として始めたら面白いと思いました。 やっぱり編みぐるみというカルチャー自体が日本発祥だから、日本の本を買ってみたけど、読みづらいという海外の人も多くて。 日本の編みぐるみの本だと、編み図がどんと載っているだけでも、私たち日本人の編み手だったら図は下から上、右から左に読むと分かっています。それすらも馴染みのない人からしたら分からないですよね。だったら、少なくとも日本語と英語で書いたら、そういう人たちにとっても、面白いですし。

あとは、日本って人口も限られていて、日本語を使うのも日本国内しかいない。その中の小さなパイの奪い合いをするのであれば、海外のお客さんを増やした方が将来性があると思いました。

——海外からの反応は?

●赤星 実はお客さんのほとんど海外の方なんです。海外のお客さんはコミュニケーションに積極的なのもあって、Instagramも海外のお客さんのフォローが多いんです。編み図についてのメッセージをくれる方も多いですし、モチベーションに繋がります。

——今、挑戦してみたいことはありますか?

●赤星 大っきいものをつくりたいですね。 何が難しいかって、今つくっている作品のサイズ感なら修正できるんですが、 大きいと自分がどこ編んでいるかわからなくなるんです。 本当はそういうときにCADを使って展開図とかを作れるといいんですけど。今は自分のラフスケッチをみながらつくってます。今年の夏にはデザインフェスタに出店するので、そこに間に合えばと思っています。 あとは、「編みぐるみ」はどうしても手芸の域に収まってしまうんです。 そうすると、コミュニティがどうしても小さくなってしまう。だから、もっと違う業界、たとえばほかのデザインやものづくりの分野など、違う職種業態の人と一緒に仕事をしたり、何かできればと考えています。


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