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#1 写真家・出川光

出川光の魅力は写真だけではなく、その人柄にもある。
「クリエイティブに救われた経験があるからこそ、そのお返しがしたいと思って活動をしている」と彼女が以前言っていたのが印象に残っていた。

社会的には音楽や写真などの芸術は衣食住とは違い、無くても生きていけるものであるといえるだろう。だが、そういったものが「人を救う」のではないか、と彼女は言う。
例えば、芸術を感じることによって頑張ろうと思ったり、その人の心や生活が豊かになる。そこには大きな意味があり、その人のライフワークに直結していく。

彼女は高校生の頃、写真に対してもやもやとした想いを抱えていた。
自身の在り方や、写真に対する姿勢はこれでいいのかーーー。自分の抱える想いは、きっとクリエイティブなことなのだろうと漠然には感じていたが、心のもやは晴れずにいた。

そんなある日、本屋を訪れた彼女はとあるコーナーを見て衝撃を受けた。
そこには 、女性たちが好き勝手に写真を撮っている写真集が並んでいた。ガーリーフォトブックが流行していたその当時、様々な女性写真家が活躍をしていた。
並ぶ写真集の数々を見て、彼女は「これでいいんだ!好き勝手撮っていいんだ!」と背中を押され、自分の考え方や在り方が許されたと感じた。思春期の彼女にとって、それはある種の救いだった。

芸術そのものはもちろんであるが、芸術家のひとたちの考えや、在り方に励まされたり、これでいいんだと背中を押して貰える。芸術の魅力は、そういったところにもあるのだと、彼女はすこし恥ずかしそうに言った。

実は普段はカルチャーやアートを支える側の人物としても活躍している彼女。
自身が写真家というアーティストでありつつも、そういった活動をしているのは、過去のそういった経験があるからこそなのだろう。

 

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