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「ピテカントロプスになる日」Special Talk ①

知り合ったのは2003年頃。下北沢のラ・カーニャで共通の知り合いに紹介されて、まず佐藤良成と柳原陽一郎が出会う。以来、ライブの共演などを通じて、つかず離れず親交を深める。2014年1月にリリースされたライブアルバム『THE LIVE CD』に『さよなら人類』のカバーを収録。ライブでの共演は以下の4回。
2003年9月 柳原陽一郎&笹野みちる主催のイベント『オレオレハタハタフェスティバル』
2004年7月『佐藤良成ソロライブ@下北沢 ラ・カーニャ』
2006年1月『relax #2@青山 月見ル君想フ』
2007年3月『柳原陽一郎ライブ@高円寺 JIROKICHI』

対談の際に事前アンケートを実施!こちらからご覧頂けます!

じつは似たもの同士?! の男子二人と外野目線の女子
~柳原陽一郎&ハンバートハンバート~

柳原陽一郎(以下、柳原)  ハンバートって結成はいつなの?

佐藤良成(以下、良成)  1998年くらいから練習を始めた感じですね。最初にCDを出したのが2001年で。

佐野遊穂(以下、遊穂)  友達に「良成とやればいいよ」みたいに言われて。

良成  俺が誘ったんですよね。

柳原
 なんか音楽的にピンと感じるものが。

良成
 いや~その当時、3人くらいの女子コーラス隊を従えたいと思ってて。

遊穂
 華やかにね。

柳原
 ……はっ? ジェームス・ブラウン的な? どういう音楽やってたの?

良成
 大人数のバンド編成みたいなのやりたくて。

柳原
 ファンクみたいな?

良成
 曲は全然ファンク調じゃないんですけど。気持ちはね、ちょっと派手な感じにしたかったので。華やかに女子コーラス隊を入れようかなって。そこで歌おうと思ってたんだけど、やってみたら遊穂のほうが歌が上手かったから(笑)。1回目は俺が歌ったんですけど、2回目からは遊穂が歌うようになって。

柳原
 バックコーラス隊の夢は。

良成
 一瞬で終わりました(笑)。企画倒れですね。でもそんなもんじゃないですか、バンドを始めるときは。
    行き当たりばったりで。

柳原
 誰が何をやるかさえ決まってなくてね。ホントにそう。

遊穂
 私なんて一緒にやることになったのも、人に言われたからだし。主体性が全然ない(笑)。

柳原
 けど、気づいたらフロントマン。いや、ナイスコンビだね。でもさ、一緒にライブをしたのは4回だけなんだね。

遊穂
 ハンバートとしては2回なんですよ。あとの2回は良成のソロで。

柳原
 ラ・カーニャでやった良成君のソロライブ、よく憶えてるなぁ。なぜかというと、これの直前に人生初のデジカメを買って。それで撮った最初の写真が良成君なんだよね。

良成
 ヤナさんのIT化の遅れ、すごいですよね。そのときのリハも、ICレコーダーどころか小っちゃいラジカセ持ってきたから。

柳原
 今はICレコーダーですけどね。

良成
 いよいよそこまできたんですね。

柳原
 当然ですよ(笑)。

良成
 そのライブのときに一緒に『Fisherman’s Ballad』っていう曲を作ったんですけど、覚えてます?ヤナさんが詞を作ってくれて、それに俺がメロディーをつけたんですけど。

柳原
 もちろん。♪愛だの恋だの~~ってね。

良成
 そうそう。あの曲、あれ以来やってないんですけど、今度のライブでやりたいと思ったんで
    勝手にちょっと手を入れてみたんですね。よかったら一緒にできたらなぁって。

柳原
 ぜひ。ぜひお願いします。でもさ、良成君って、会うたびに印象が違うよね。

遊穂
 みんなに、そう言われる。

柳原
 なんかコロッと変わるよね。デビッド・ボウイのように。それはなぜ?

良成
 単純に飽きるからでしょうね。突然、バカみたいに思えるんですよ。例えば街を歩いてて、ガラスに映った髪伸ばしてヒゲも伸ばした自分を変だなぁって思う瞬間があって。もうやめようって思っちゃう。

柳原
 そういう場合は、聴く音楽も変わってくるの?

良成
 聴く音楽は変わらないですね。ずっと同じようなものばっか聴いてますよ。

遊穂
 でも良成はマイブームがすごくて。
    「○○がいい!」ってなると、急にすーごい極端にやり始めて、すごい勢いで飽きる。

柳原
 それは曲のアレンジみたいなことで?

遊穂
 例えば、“言葉は美しいほうがいい”ブームみたいなのがあったら、言葉は美しく作る。曲も美しい、それが音楽として最高なんだ、みたいになる。

良成
 そういうの、あるね。

遊穂
 そうやって作ると、だいたいそのあと、「違った!」みたいになって。今度は「崩すのがいい!」みたいになったりする。

良成
 そういうことも、ありますね。

柳原
 でもそれを歌うのは遊穂ちゃんだったりするわけでしょ。

遊穂
 あははははは。そうそう。

良成
 そういうヤナさんだって、そうなんじゃないんですか。マイブームに引きずられるほうじゃないですか?

柳原
 そうなのよ(笑)。例えば歌詞で言うと、♪オゾンのダンス~~とか♪きみの骨でマリンバ~~じゃないけど、前は浮きすぎてる言葉がすごい好きだったの。でもこの年にもなると、そういう浮きすぎがイヤになってきて。
   普通の言葉で歌いたいと思ってるのに、ときどき“骨”とか書いちゃうと、「あぁぁぁぁしまったー!」ってなる(笑)。

良成
 ハンバートは、そういうときに遊穂のチェックが入るんですよ。でもそこに助けられてて。それがないソロの人は大変じゃないですか?

柳原
 大変。だから羨ましい。

良成
 でもバッサリきますけどね。「ここ、どうなんだろう」みたいに。ときどき、まるで音楽をやってない人みたいにバッサリくる。

柳原
 あれっ?! 仲間のはずなのに?って。

遊穂
 急に外野的になる(笑)。

柳原
 女の人ってあるよね、外野目線(笑)。

良成
 ありがたいことですけどね、その目線があるってことは。

柳原
 もしかして二人、……似てるかも?

良成
 ですね(笑)。入り込むから、それでけっこうアルバムごとにミュージシャンがガラッと変わったりして。

柳原
 よくないよね~。だけど自分のモードが変わっちゃうから。

良成
 薄情なんですかねぇ。でもモードが変わると、できないもんはできないって思っちゃうから。そう思っちゃった以上は、ねぇ。

柳原
 そうやってモードが変わると、カサノバのようにまた新しい人を探す旅に出るわけですか?

良成
 そうですね。……って、いやいや、他人事のように言わないでくださいよ(笑)。

柳原
 うはははは、ラクだな、人に言ってもらうと。でもそうね、俺もどっちかと言うと。

良成
 「どっちか」はいらないですよ(笑)。

柳原
 自分でも唖然とするよね、この前まで「○○がいい!」って言ってたのにって。

良成
 わかります、わかります。

柳原
 あぁ……そっか~、似てんだぁ。

良成
 そんなガッカリしないでくださいよ(笑)。

柳原
 いやいやいやいや。でも良成君がそんなキャラだっていうのは、ハンバートの音楽からはわからないね。なんか落ち着いてるように見えるもん。

良成
 そうですか?。

柳原
 だって初めて良成君を見たとき、中国かなんかから来た留学生かと思った。賢そうだし、日本文学でも勉強しに留学なさってる人かなぁって。

良成
 そんなに日本語、片言だったですか(笑)。

柳原
 ははは。いや、出してる雰囲気が文学青年だったよね。そんな移り気な音楽青年には見えないもん。だけどいいね、ユニットは。相方がいるとバランスが取れるよね。

遊穂
 結成したころね、“俺、天才”みたいな感じでやってる20歳くらいの良成がいて。で、その良成を見て「あぁそうなのかなぁ、ここにくっついていけば、なんとかなるかなぁ」って私は思って。

柳原
 あるよね、そういうこと。 20歳くらいのときって、 自分一人だけにスポットライトが当たってるような感覚ってあるよね。あれはなんなんでしょうね。

良成
 ねぇ、なんなんでしょう(笑)。

柳原
 んくくくく。俺は選ばれてるはず、みたいな。でも遊穂ちゃんには、その感覚なかったんでしょ?

遊穂
 なかった。ただ基本的に、いいことしか耳に入らないから。「いいね」みたいなこと言われると、「あ、い~んだ。じゃ、もうだいじょぶ、だいじょぶ」って思うし(笑)。

柳原
 いいね~。

遊穂
 だからライブやってても、私は楽しそうな人しか目に入らないんだけど、良成はつまんなそうにしてる人や、アクビしてる人しか目に入らない。

柳原
 俺もそのタイプ(笑)。

良成
 あはははは。だから同じ景色を見てるのに、見てるところが違うから、終わったときの実感が違うんですよ。

柳原
 そうそう。寝そうな人がいたっていうのと、楽しそうな人がいたっていうのとじゃね。じゃ、このイベントが終わったとき確認しようか、それぞれどこを見てたか(笑)。

“ピテカントロプス”アンケート ハンバートハンバート編